RESEARCH
Hello!世界のUACJの現場から
【ベトナム編】
働きやすさの先にあるものって?
【ベトナム編】
働きやすさの先にあるものって?

Featuring
UACJ Foundry & Forging (Vietnam) Co., Ltd. DUONG MY NUONG (ヌン)さん (工場長)

Featuring
UACJ Foundry & Forging (Vietnam) Co., Ltd. DO THI HONG ANH (アン)さん (管理部 部長)

Interviewer
UACJ 綿貫 祥子

Interviewer
UACJ 小﨑 優
世界のUACJの現場では、どんな取り組みが行われているの?各地の活動からサステナビリティのヒントを探ります。初回はベトナム(UACJ Foundry & Forging (Vietnam) Co.,Ltd.)から!働きやすい環境から生まれる従業員のモチベーション、そして社会貢献活動とは?


日本から約4,300km離れたベトナム・ホーチミン市に位置するUACJ Foundry & Forging (Vietnam) Co.,Ltd.(以下、UFFV)。今日はUACJ本社の綿貫&小﨑がオンラインでつながって、いろいろお聞きします!

まずは、
UFFVについて教えて!
UFFVについて教えて!

ヌン
Xin chào(シンチャオ)!綿貫さん、小﨑さん、よろしくお願いします。UFFVでは、高精度の石膏型を用いた鋳造技術を活かして、高品質なアルミ鋳物製品をつくっています。

アン
従業員数は375人。そのうち生産現場で働くのは270〜80人ほどで、男女比は約50%です(2025/03時点)。

綿貫
グループ会社とはいえ、あまり関わる機会がないので知らないことばかりです。職場の雰囲気はどんな感じなのでしょうか?

ヌン
多様性を尊重する職場だと私は感じています。若手の意見も重視されていますし。困ったことがあればすぐ上司に相談できるなど、コミュニケーションも活発です。

小﨑
ヌンさんは工場長として活躍中ですよね。UFFVでは女性の管理職の方も多いのでしょうか?

ヌン
全社員の約17%が管理職で、そのうちの40%ほどが女性ですね。

綿貫
すごいですね!

ヌン
でも、“女性だから”という考え方ではないんですよ。性別に関わらず、その方の実力をみて正当に評価しています。女性でも理系の方であれば、現場で設計や改善など活躍できますし、それは男性も同様です。

綿貫

小﨑
なるほど!


失敗OK!
チャレンジ歓迎!
挑戦したくなる環境って?
チャレンジ歓迎!
挑戦したくなる環境って?

ヌン
UFFVでは現場から改善について意見をあげてもらい、検討するという文化が根付いています。そこで一番大事なのが、失敗しても怒られないという心理的な安全性。もし失敗してしまってもちゃんとサポートして次回へつなげます。

小﨑
心理的な安全性って大事ですよね。どんどんチャレンジしようというマインドになります。

ヌン
そうですね。失敗するから、怒られるから、という方向にいってしまうと良い意見は出ませんからね。

アン
そのほかに挑戦として、勉強会・研修会は頻繁に行っています。社内で開催するのはもちろんですが、社外の勉強会への参加も後押ししています。

綿貫
例えば社外の勉強会ってどんなことを学ぶのでしょうか?

ヌン
生産効率や改善効率、管理者の勉強などさまざまです。もちろん全員が行けるわけではないので、参加社員はちゃんと社内でシェアもしてもらいます。

綿貫
みんなでスキルをシェアして、新しい知識をインプットできる仕組みもあるんですね。

アイデアを引き出す、
ベトナム流の
“ギフト”とは?
ベトナム流の
“ギフト”とは?

ヌン
普段の業務では、5〜6名の小グループで活動しているのですが、そのグループ内で目標を立てて、実際の業務の中で改善する課題を見つけていくような仕組みをとっています。

綿貫
改善のアイデアってたくさん出てくるものなのでしょうか?

ヌン
ただ単純に「意見をちょうだい」だと難しいかもしれませんね。UFFVでは従業員に意見を出してもらう工夫としては、「thank you gift」を取り入れているんです。

小﨑
サンキューギフト?

ヌン
その名の通り、感謝の気持ちを込めたギフトです。日々の業務の中で、改善アイデアが上がってきた際にちょっとしたギフトを渡すのです。

綿貫
どんなものがもらえるんですか?

アン
チョコレートやスナックなどのお菓子です。特にすばらしいアイデアの時はカフェの商品券がもらえるんですよ。朝礼で社長から発表があるので、従業員としてもモチベーションになっているんじゃないでしょうか。

小﨑
毎朝「Thank you」が飛び交う職場…いいですね!


ヌン
もともとUACJには、年に一度改善に対して評価を行う制度がありますよね。でも、もっと頻繁にそしてすぐに評価やフィードバックしてあげることが重要だと思うのです。

小﨑
それはなぜですか?

ヌン
ギフトがもらえることよりも、その方の意見や頑張りに対して、しっかりとフィードバックする、感謝を伝えるというサイクルが大事だと考えているからです。

小﨑
とても勉強になるなと感じると同時に、同じグループ会社ですがとても羨ましいです(笑)。
働きやすさの工夫、
そのほかには?
そのほかには?

アン
そのほかには、ダイバーシティ活動として事務作業員の土曜出勤では自由服装を導入したりしています。

小﨑
私服出勤OKということですか?

アン
はい。もちろん、安全に配慮した服装というルールはありますけど、基本的には自由です。普段は制服なので、自分の好きな服装で出勤できるのは気分も上がりますね。


ヌン
あとは社屋周辺に植えられている植物やフルーツなども、従業員の意見を聞いて育てているものです。

綿貫
ベトナムでは、いろんなことに従業員の方の意見を取り入れているんですね。

アン
最近だと、UACJのCMキャラクター「夢野アル美」さんのポスターを会社の中で貼り始めたんです。日本のアニメはベトナムでも大人気なので、会社の雰囲気が明るくなります!

ヌン
一つひとつは小さなことかもしれませんが、自分たちが働く環境を自分たちで変えていくことは、モチベーションに大きく関わると思います。


働きがいがあると、
どんな変化があるの?
どんな変化があるの?

ヌン
従業員からの意見は当然増えましたね。こんなこともできるんじゃないかと日々改善提案をもらっています。

アン
変化というわけではありませんが、UFFVを象徴しているなと感じることとしては、社会貢献活動への参加率が良いことでしょうか。

小﨑
社会貢献活動とは、なんのことでしょうか?

アン
マングローブの植樹とビーチクリーン活動です。植樹については社の方針として2023年から取り組み始めたのですが、50名ほどの従業員がボランティアスタッフとして参加してくれました。

綿貫
50名!全社員の13%ですよね。

アン
この活動は一過性のものではなく、継続的に記録・管理を続けていくもの。10年の計画で、環境への貢献ができる活動なのです。

ヌン
ビーチクリーン活動については2024年から始まりました。これは従業員の声からスタートした取り組みで、オフィスだけでなく製造所の従業員も参加して40名ぐらいが参加しています。

小﨑
すごい!皆さんやっぱり日頃から会社に対するエンゲージメントが高いから意欲的ですね。



ベトナムならでは!
ボランティア活動の
リアルを教えて!
ボランティア活動の
リアルを教えて!

アン
活動場所はUFFVのオフィスから車とフェリーで2時間ほどの場所です。朝会社に集合して、貸切バスでみんなで移動します。

綿貫
楽しそう!なんだか遠足みたいですね。

アン
バスの車内ではカラオケもできたりして、みんな歌いながら道中もにぎやかですよ(笑)。

小﨑
カラオケ!?

ヌン
ベトナムのバスには、カラオケがついていることが多いんですよ。

綿貫
知らなかったです(笑)。それもベトナムならではのカルチャーですね。

アン
マングローブの植樹は、目標の500本の植樹をしました。ビーチクリーンでは、ゴミ袋100個分のゴミを回収。活動後にはみんなでお弁当を食べたり、普段話すことがない従業員同士で交流もできますし、皆さんとても楽しんでくれています。

小﨑
社会貢献をしながら社員同士のつながりも強めていく。理想的な活動ですね!


自発的な行動を促す
マネージメントって?
マネージメントって?

ヌン
“なぜやるのか”を明確にするのは、一つのヒントかもしれません。社会に対して貢献するのは、会社利益をあげることだけではなく、こういった活動にも意義があると伝えることも重要かなと。

小﨑
活動する目的や意味をしっかりと共有するということですね。

アン
日頃からしっかりと従業員との信頼関係を築いておくことも大事ですよね。信頼が築けているからこそ、従業員の協力が得られます。

綿貫
なるほど。サンキューギフトや改善活動のアイデア出しがここにつながってくるのですね。

アン
私たち管理職にとって、現場で働いてくれている人たちのモチベーションというのは何よりも大切です。現場の方の意見がより良い会社づくりには欠かせませんから。

ヌン
入社から23年働いているので、私にとってUFFVは働く場所、仲間というよりはもう「家族」のような存在。これからも「家族」が働きやすい環境を整えていきたいです。

綿貫
とても素敵な考え方ですね。今後もぜひ参考にさせてください。今日はありがとうございました!

小﨑
ありがとうございました。

アン

ヌン
ありがとうございました〜!Cảm ơn(カムオン)!



AFTER INTERVIEW

UACJ 綿貫 祥子
UFFVの皆さんが明るい雰囲気で業務に取り組んでいることが、とてもよく伝わりました。気軽に声を上げて、褒め合う文化が根付いているのは、日頃の地道な取り組みの成果ですね。thank you giftはまた次に向かって頑張ろう、という気持ちを鼓舞するもので、問題の発見・業務の改善・モチベーションアップ・個人の成長とよい循環につながっているのだと思います。自らの行動が目に見えて改善効果として現れるのはなによりのやりがいですね。まさに“UACJ Well WAVE”を感じたものでした!
Profile
IR部で、UACJの魅力を社外に伝える活動をしています。買い物に行くと、アルミ缶が並ぶ様子ににんまり。

UACJ 小﨑 優
マングローブの植樹やビーチクリーン活動など、社会貢献活動への参加率の高さには驚きです!日頃仕事という業務をともにしていることとはまた一味違う、一緒になって何か意味のあることをするという活動が皆さんのモチベーションの高さにもつながっているんですね。取り組みの目的や意味をわかりやすく伝える、というのも気づきでした。これは、社会貢献活動に限らず、日々の業務でも同じ。部門横断的に施策を進めたり、新しい施策を立ち上げるときなどにも、生かせるなと感じました。まずは、普段の業務から、「thank you」感謝の言葉を伝えてみようと思います!
Profile
法務部でコンプライアンスや人権に関する業務を担当しています。アルミのように、錆びない(錆びにくい)人になりたい今日この頃。
※こちらに掲載している情報は取材当時のものです