RESEARCH
【新連載】
サステナでつながろう!
Vol.1 JTB × UACJ
「体験」と「素材」から生まれるものって?
Featuring
株式会社JTB
ビジネスソリューション事業本部
DEIB・サステナビリティ推進担当 部長
中村 弘子さん
*役職名は2026年2月時点
Interviewer
UACJ 清水 真知子
UACJが異業種の知恵を掛け合わせ、サステナブルな未来を探る新シリーズ「サステナでつながろう!」が始動。記念すべき第1回は、観光をはじめとする交流創造事業を展開する株式会社JTBへ。循環型社会の実現に向けアルミ缶の普及に尽力するUACJの清水が、「体験」という一見対極の価値を提供する、観光業界が向き合うサステナビリティの真髄に迫ります。業種を超えて見えてきた、共通の志とは。
JTB本社を初めて訪れたこの日。
「ようこそ!JTBのオフィスへ」明るい笑顔で迎えてくれたのは、株式会社JTBの中村弘子さん。二人の対話から、一体どんな未来の可能性が見えてくるのでしょうか?
まずは自己紹介を!
中村氏(以下、中村)
よろしくお願いします!今日はじっくりお話できるのをとても楽しみにしていました。直接お会いするのは、本日で2度目ですね。せっかくの機会ですから、もっと距離を縮めてお話ししたいなと。「真知子さん」とお呼びしてもいいですか?
清水
うれしい!もちろんです。じゃあ、私も「弘子さん」とお呼びしますね。
中村
なんだか一気にリラックスできました。
清水
弘子さんは今、サステナビリティ推進の部門を統括されていると伺いましたが、どのようなミッションを担われているのでしょうか?
中村
私は、サステナビリティの中でも特に、ダイバーシティ(DEIB*)について注力しています。法人のお客さまが抱えるダイバーシティやサステナビリティの課題に対し、JTBの持つリソースをどう掛け合わせて解決できるのか。それを形にするのが私のミッションです。
*DEIB…Diversity(ダイバーシティ/多様性)、Equity(エクイティ/公平性)、Inclusion(インクルージョン/包括性)、Belonging(ビロンギング/心理的安全性)の頭文字をとった言葉。組織において多様な人材を雇うだけでなく、個々の違いが尊重され、誰もが平等な機会を持ち、安心して活躍できる組織環境を目指す理念。通常、Belongingは「帰属性」と訳されますが、JTBグループでは「心理的安全性」としています。
清水
「旅」と「サステナビリティ」って、実はすごく直結していますよね。
中村
そうなんです。観光地の美しい自然や文化が守られていかないと、私たちが提供する「交流」そのものが成立しなくなってしまいますから。
JTBのサステナビリティの取り組み
清水
まさに事業活動の“現場”を守る使命ですね。私自身も、アルミニウムという素材を世に普及させることは、「循環型社会」を実現するための不可欠な一歩だと捉えています。だからこそ、アルミ缶の普及活動や、業界を超えたリサイクルの仕組みづくりに奔走しているんです。
中村
アルミ缶の普及はビジネスの“現場”を守ることであると同時に、環境視点では「循環型社会」の実現につながっているんですね。形は違えども、自分たちの“現場”にあるサステナビリティの輪を途絶えさせない、という使命感は共通していますね。
なぜJTBは
ダイバーシティに
取り組むのか?
中村
多くの企業が性別や国籍など「属性」の多様性に注目しますが、私はその外側にある「知・経験・キャリア」の多様性こそが重要だと考えています。
清水
なるほど。
中村
異なるバックグラウンドを持つ人たちが集まり、心理的安全性が確保された状態で意見を交わす。この「集合知」こそが、変化する時代にイノベーションを生む唯一の道だと思うのです。
清水
「集合知」という言葉は、とても響きます。UACJも素材メーカーとして技術を磨いてきましたが、今後は、異なる視点を持つ人材が混ざり合うことで、新しい価値を作ろうとしています。
中村
でも、多様性と言っても、全員がバラバラの方向を向いていたらまったく意味がありません。どこを目指すのか、まずは指針を示して、同じ方向に向かうことで、「集合知」は生きてくるのかなと。
清水
とても勉強になります。翻って自分の立場を考えてみると、ちゃんと自分の部門でその意義を伝えられているのか、考えさせられます。
現場を巻き込む、
そのための工夫とは?
中村
2007年に専門組織ができた当初は、社員も「DEIBっていったい何?」という状態でしたから。最初はとっても大変でした(笑)。
清水
どうやって「自分ごと」に変えていったのでしょう。
中村
弊社はトップ自らがかなり早い段階からDEIBの重要性を感じ、継続的に社内外へメッセージを発信してきたことが大きかったですね。その積み重ねのおかげで、今では社内全体にDEIBを自分ごととして捉える土壌がしっかり育まれていると感じます。
清水
やはりトップのコミットメントは不可欠ですね。
中村
はい。ただ、「トップの強い推進力と同じぐらい大事なのが、ボトムアップの力です。全国の拠点で社員が自発的に取り組む「Smile活動」や「JTB DEIB Week」など、地道な活動を続けてきています。
各職場の問題解決や組織力強化を目的に、自ら考え、行動する組織活動を展開する「Smile活動」。
DEIB Week
清水
こういった活動や社内イベントへの参加意欲は、皆さん高いのですか?
中村
旅やイベントなど体験を生業とする会社なので、熱量はとても高くて。従業員自ら楽しんで活動してくれています。これは完全に企業の風土ですね。
Smile活動キックオフ
清水
参加する従業員の「楽しい」という感覚は重要ですよね。自発的な行動の原動力にもなりますし。
中村
おっしゃる通りですね。その他の工夫として、一部の活動を社内評価と紐づけています。
清水
評価にも!それは本気度が伝わります。
アルミの普及は
環境保全につながる?
清水
アルミニウムは、実は「リサイクルの王様」と呼ばれるほどサステナブルな素材なんです。一度作れば、再生に必要なエネルギーは新品のアルミニウムを作る時のわずか3%。しかも、ほぼ永久に循環し続けることができる素材です。だから、日々の生活でアルミを選ぶこと自体が、実は立派な環境活動への貢献につながるんです。
中村
お恥ずかしながら、今回お声がけいただき初めてアルミニウムの特長について詳しく知りました。聞けば聞くほど、素材として環境貢献価値がありますよね。
清水
ありがとうございます。環境素材としての価値を知っていただくための一歩として、今、私たちが新しく取り組んでいるのが、オリジナルデザインのアルミボトル缶に入った水を手に取っていただける機会の提供です。
中村
アルミ缶ボトルのお水ですか。
清水
はい。これまでのアルミ缶の発注は、数万缶単位の大ロットが業界の常識でした。ですが、これではあまりにハードルが高すぎて、環境に良いアルミを選びたくても諦めてしまうお客さまが多くいらっしゃったんです。その『そもそも選択できない』という状況を変えたい、というのが私たちの出発点です。
中村
たしかに。小さな自治体やイベントでは手が出せない数ですね。
清水
そこで、最小100缶からオーダーできる仕組みを作ったんです。
中村
数万缶が100缶に!?すごいブレイクスルーですね。なかなか一筋縄では実現できなかったのでは?
清水
現場からは「素材メーカーにはハードルが高すぎる」と、当初実現できるか不安ばかりでした。でも、アルミニウムの価値を広めるという大義のために、何度も議論を重ね、課題を一つずつクリアすることでなんとか実現しました。
中村
素晴らしいですね!
清水
お客さまがサステナブルな選択を「無理なく、楽しく」できるようにしたかったんです。選択のハードルを下げ、小回りのきく形にしたことで、これまで別の素材を使っていたお客さまからも『それならアルミ缶に切り替えたい』という声が増えています。
素材と体験、
もしもコラボするなら?
中村
例えば、JTBが主催する大規模な会議やイベントで、UACJの100缶オーダーを活用し、イベント専用のデザインを施したアルミ缶を配るとかでしょうか。
清水
すぐにでも実現できそうですね!
この日特別にご用意したJTBオリジナルのアルミ缶ボトル飲料水。ボディ部分へのプリントが可能です。
中村
飲み終わった後は、その場でアルミ缶を回収して、それがまた新しいアルミ缶へ生まれ変わっていく。そんな循環のプロセスを体験として提供できたら、参加者の皆さんの意識もきっと変わるはずです。
清水
いいですね!「循環の体験」もセットで提供するというのがおもしろそうです。余談ですが、実は私、アルミ缶をリサイクルする機械にかける時の、シャリシャリシャリと潰れる “音”が大好きなんです(笑)。
中村
へえ、音ですか。それってすごく大事な視点かもしれません。そういう「五感」に直接訴えかけるものこそが、新しいことを創造するアイデアのきっかけになりそうですね。
清水
本当ですか?ぜひ、一度弘子さんにもアルミ缶の音を体験していただきたいです。
異業種の知を融合!
これからの可能性とは?
中村
異業種同士だからこそ、互いの得意領域や市場開拓での強みを生かせるかもしれません。「素材」から始まるサステナブルな物語を、JTBの「体験」で届けていく。そんな新しいチャレンジができるかもと思うと、とてもワクワクします。
清水
私もです。弘子さんの「集合知」という言葉の通り、異業種同士の「知」のかけ合わせで、きっと新たな可能性が見つかりそうな気がします。
中村
今日お話しして、真知子さんの「素材への愛」と「現場を動かす熱」に、私自身が刺激をいただきました。
清水
うれしいお言葉を、ありがとうございます。ぜひ、一緒に新しい可能性を探っていきたいです。
中村
はい。今日をその第一歩ですね!今後ともよろしくお願いいたします。
清水
よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

AFTER INTERVIEW
UACJ 清水 真知子
最初にJTBさんとご一緒させていただけるという機会をいただいた時は、お話が盛り上がるか不安でしたが、弘子さんにお会いした瞬間にその懸念はなくなりました。JTBさんのサステナビリティ、特に弘子さんの取り組んでいらっしゃるDEIBへの理解も深まり、また、UACJが取り組むべきことへの大きなヒントをいただくことができました。弘子さんにアルミを好きになっていただけたことも大きな収穫でした!
Profile
板事業本部缶材営業部長 兼 渉外部長 兼 アルミ缶普及推進室長。「アルミ缶のことならまちこまで」といえるくらいアルミ缶への愛が強め。
「アルミボトル缶ウォーター」から始める環境アクション
世界中で飲料容器のあり方が見直される今、「何度でも生まれ変わる」というアルミ缶の強みは、資源を使い捨てない社会への一歩になると私たち信じています。

このメッセージに共感していただける企業さま・団体さまとともに、
アルミ缶を通じて、新しい環境への取り組みを広げていきたいと考えています。

まずは、オリジナルデザインの「アルミボトル缶ウォーター」から、環境への取り組みを始めてみませんか?ご活用や環境アクションのパートナーシップに関心をお持ちの方は、下記までお気軽にお問い合わせください。

【CONTACT】
MAIL:sales-shogai-1@ml.uacj.co.jp
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一般社団法人 日本アルミニウム協会が運営するサイトもご覧ください。
※こちらに掲載している情報は取材当時のものです
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