TRY
交流から始まる相互の
“学び”って?
日本で学ぶ、
タイの未来のリーダーたち
Featuring
UACJ (Thailand) Co., Ltd.
Suparod Sripim(トノ)さん(製造部熱延課マネージャー)
Featuring
UACJ (Thailand) Co., Ltd.
本田 昌照さん
(生産技術部部⾧)
Featuring
UACJ (Thailand) Co., Ltd.
Jantararat Ngandee(ペン)さん(総務部人材育成課マネージャー)
Interviewer
UACJ 武藤 崇
世界中に拠点を持つUACJでは、国境を越えた「人と技術の交流」が日々生まれています。その象徴ともいえるのが、タイのUATHと日本の名古屋製造所を結ぶ「日本研修プログラム」。タイの未来を担う次世代リーダーたちが、1年間じっくりと日本の現場で学ぶこの研修。言葉や文化の壁を越え、彼らはどんな刺激を受け、何を持ち帰るのでしょうか? 名古屋製造所の人事担当・武藤が、研修に携わった人たちの本音に迫ります!
今回集まったのは、日本研修を経験したUATHのトノさん、そしてタイで研修のサポートを担当する人材教育課のペンさん。当時、名古屋製造所で指導員だった本田さんと人事武藤の4名。久しぶりの顔ぶれがオンラインで集まり、当時を振り返ります。
日本とタイをつなぐ
研修プログラムって?
トノ
UATHの製造現場から日本の基幹製造所の1つである名古屋製造所に、管理面や技術面の勉強、日本側とのコネクションづくり、そして日本語の勉強を行うために1年間研修に行くプログラムです。
ペン
2022年にスタートしたプログラムなのですが、将来、UATHでマネージャーとなる人材を育成する、というのがこのプログラムの大きな目的ですね。
武藤
私は、当時から受け入れ側の名古屋製造所の人事室にいるんですが、トノさんは第一期生でしたよね?
トノ
はい、2022年11月から2023年11月までの1年間、一期生として日本にいました。
武藤
本田さんは、2022年当時受け入れ側の名古屋製造所にいましたが、今は逆にタイのUATHにいらっしゃいますね。
本田
はい。当時私は名古屋製造所の熱延工場の工場長として、トノさんの教育担当でした。その後、UATHのラヨン製造所に赴任して、今は生産技術部を見ています。
武藤
まさに“人材交流”ですね!
研修の狙いとは?
ペン
実はもともと、2014年にも「日本研修」は行われていました。当時は、UATHの立ち上げ期ということで、日本のオペレーションを学ぶことが主目的で、今の日本研修とは目的がちょっと違いますね。
武藤
なるほど。約10年の時を経て、目的も新たに「日本研修」が再スタートしたというわけですね!
ペン
ええ。UATHではローカライゼーション(現地化)を進めるということに今注力していますから、その一環として「日本研修」は位置付けられています
武藤
ローカライゼーション(現地化)というのは、具体的には?
本田
現地のタイ人によるマネジメントでUATHの操業を目指していくということですね。今は、UACJ側からマネジメントの立場の者が赴任しているんですが、もっとローカルに根差したマネジメントにすることで、よりタイの経営を安定させたいなと。
武藤
今後のUATHの経営戦略の基盤となる。そんな位置付け、ということですね。
本田
はい、ですから研修生を受け入れる側の立場としても、タイ・ラヨン製造所のローカライゼーションに何か役立てる情報を研修の中で提供できれば、という思いで臨んでいましたね。とはいえ、初めてのことばかりで手探りでしたが…。
武藤
本当に!これまで短期間の研修生受け入れはありましたが、丸1年という長期間は我々も初めてでしたよね。どんな整備をするべきか、戸惑いはありつつも、新鮮さ、ワクワク感はありましたね。
一期生に大抜擢!
日本研修どう感じた?
トノ
大抜擢…うーん、どうなんでしょう(笑)。でも、「行ってみないか」と打診されて、今後のためになるならという気持ちではありましたね。
ペン
UATHのマネージャー陣の中でも、トノさんをぜひ将来マネージャーにという推薦がありました。トノさんは以前福井製造所や名古屋製造所にも短期間研修に行ったことがあったので、日本側との関係をよりスムーズにできるだろう、というのも推薦理由でした。
武藤
やっぱり大抜擢だね(笑)。
トノ
(笑)
本田
彼は、本当にまじめなんです。仕事にも真摯に取り組むし、人柄もいい。名古屋の現地メンバーともすぐに打ち解けていました。
トノ
皆さんのサポートのお陰です。言葉の壁ももちろんありましたが、かなり手厚くフォローしてもらいました。おかげで、私もすぐ馴染むことができました。
武藤
トノさんのキャラクターに救われたエピソードを、一つ思い出しました!
ペン
なんですか?
武藤
研修中の夏場に、寮の彼の部屋のエアコンが突然壊れたんです。連絡をもらってすぐに私が駆けつけて。真夏にエアコンが壊れるなんて、きっとすごく怒っているだろうなと思ったら…トノさんが玄関で「壊れちゃったよ」と笑っていて。
ペン
トノさんらしい!
武藤
あの時に、ああ、こういうおおらかな性格だから製造所の皆ともうまくやれるんだな、見習わなきゃと思いました。
実際の研修、
どんなことをするの?
トノ
だいたいは朝7時半に朝礼をして、その後製造現場で研修。資料を見ながら、製造工程や管理面などを学びます。午後にもまた現場に入ったり、時には会議に同席させてもらったり、という感じでしたね。
武藤
日常業務の中から、実際に現場に入って学ぶというスタイルだったよね。
トノ
はい。マネージャー育成ということだったので、本田さんからも直接マネジメントの勉強をさせてもらいました。
本田
管理者が入る会議などにはなるべくトノさんにも入ってもらって、会議の目的やどういう視点で話がされているのか、どういう方針が決まったのか、などは共有していましたね。
トノ
その合間に、日本語の授業もありました。日本研修に来る前にもタイ現地で日常会話などの勉強はしていたのですが…これがまた結構大変で(笑)。仕事をしながらなので、ハードだった記憶はあります。
武藤
忙しい中、勉強していたのを私も覚えています。
本田
休みの日は何をしていたの?
トノ
名古屋市内を歩き回っていましたね。市内の道はだいたい歩いた、と言えるぐらい結構巡りました(笑)。あとは、名古屋グランパスの試合にタイ人選手が出ると聞いて、サッカー観戦にも行きました。とてもいい思い出です。
ペン
異文化に触れるのも、研修の醍醐味ですよね。本当に満喫していて、羨ましいです!
研修で気づいた
タイと日本の違いは?
トノ
一番驚いたのは、仕事中の雰囲気ですね。日本の製造現場は厳格に、真面目に、一生懸命仕事に取り組むという印象です。
武藤
タイは仕事中どんな雰囲気なんですか?
トノ
比較的リラックスした雰囲気、笑顔や会話も多いです。
本田
そこは私も、タイ現地に来て驚いた部分ですね。おそらく文化的な背景が大きいとは思いますけど、とにかくタイは仕事上でもプライベートでも、コミュニケーションが活発なんです。
武藤
なるほど。そこは大きな違いですね。
トノ
あとは、日本人のスタイルとして、お互いに尊敬し合う、チームワークや協力する体制があるということも現場に入って感じました。部署間の連携が強くて、仕事を成功させるためには大きな要素だなと。
武藤
マネジメントの部分はどうだったのかな?
トノ
やはり日本工場の方がベテランの方が多いので、経験も豊富で、教育や育成が行き届いている。しっかりと上司や先輩からの教育ができていると感じましたね。
研修のアップデート
どうしている?
本田
トノさんの意見を聞きながら改善していけるところはしていったり、という進め方でしたね。
武藤
具体的に改善した部分だとどういったところでしょうか?
トノ
やっぱり言語の壁が大きいので、もっと技術面のことを知りたい、勉強したいと思っても日本語につまずいてしまうということは意見をしましたね。
本田
その意見を受けて、二期生以降は、研修生に渡す資料をタイ語に翻訳して渡すようになりました。可能な限り、コミュニケーション面で困らないようにと。
武藤
二期目からアップデートした部分で言うと、研修生のご家族が来日できるようになったのも大きな変化ですよね?
ペン
はい。1年という長期間なので、どうしてもホームシックになってモチベーションが下がったり、という気持ちの部分のフォローは必要です。トノさんの時に、日本側からそういった共有を受けて、二期目で新たに制度を取り入れました。
トノ
ビザの関係で私たち研修生はタイには帰れないので、逆に家族に日本に来てもらうというのはいいアイデアだと思いました。しかも、家族分のフライトチケットや滞在先は会社が手配してくれるということですし、研修生はその期間お休みしてリフレッシュもできる。
武藤
いいですね。
ペン
日本とタイで密に連携をすることで、研修のアップデートも進みますし、二期生以降も研修が継続できています。とてもありがたいですね。
日本での学び、
どう生かしている?
トノ
帰国後すぐに、チームに日本で学んだ管理や組織について共有しました。例えば組織については、役割分担をしっかりして、マネージャーの役割は何か、副課長は、工場長、リーダーは何を担うのかということを、より具体的に明確にしました
武藤
なるほど。
トノ
それまでのラヨン製造所では、役割がやや不明瞭な部分があったので、まずはそこを改善したかったんです。あとは稼働状況の見える化や安全面についても、すぐ取り組みましたね。
武藤
タイ現地で取り入れたことでいうとどんなことがありますか?
トノ
昼勤・夜勤それぞれの担当者によるパトロール。あとは現場の安全確認を行う仕組みを強化するなどを取り入れました。
ペン
私の立場から見て、研修後のトノさんはよりマネージャーらしくなって、落ち着きと冷静さが増したように思います。
トノ
そうかな?
ペン
はい!改善活動やチームの仕事の進め方の改善も自発的に進めてくれていますし、大助かりです。
本田
実際に今はマネージャーとして、現場で活躍していますからね。しっかりと日本研修が生きているのかなと。
受け入れ側の
気づきや学びとは?
本田
マネジメントを身につけてもらうということで、最初はどう教えたらいいか、色々試行錯誤しながらでした。一緒に会議に出てもらったりする中で、気付かされることも多くありましたね。
武藤
例えばどんなことですか?
本田
とある会議後にトノさんから、「あの会議は何のためにやっているんですか?」と聞かれた時、「昔からやっているからかな…」としか答えられないような場面があったりして。自分自身、長く仕事をする中で当たり前にやっていること、一つの方法や考えに固執していることに気づいたんです。
武藤
日本側はどうしても、「受け入れる側」という役割上、一方通行のベクトルだと捉えがちですが、本当はそうじゃないですよね。研修生を受け入れる中で、私たちにも気付けることがある。この研修はギブ&テイクなものだなと私も感じます。
ペン
そう思っていただけているなら、とてもうれしいです。
武藤
人事目線で言うと、現地の方から「日本研修に行きたい」と思ってもらえるようなものにしたいなと思っています。日本に行くとこんなことが学べる、こんなことが面白いと、次の後輩世代に意義を伝えてもらえるように、価値を提供していきたいですね。
本田
そのためにも、当社の理念でもある「相互の理解と尊重」は大切だと思っています。特に、日本人と日本人以外の方との相互理解ができるかどうか、というところは大きな課題。どこまで深くお互いのことを理解できるかが、今後の鍵になってくると思います。
トノ
一期生として、とても学びが多かったので、ぜひこの研修が続いていってほしいなと思います。
武藤
ありがとうございます。日本とタイ、これからも連携をして続けていきましょう!
UACJ (Thailand) Co., Ltd.
UACJグループの東南アジアの生産拠点。ラヨン製造所は、東南アジア随一の板材圧延工場で溶解工程から一貫生産を行い、年間32万トンの供給体制を構築しています。

https://uath.uacj-group.com

AFTER INTERVIEW
UACJ 武藤 崇
UACJグループの中核的な製造所の1つである名古屋製造所とUATHでのこの研修は、当社グループの底力を強くしていくための非常に重要な活動だと考えています。その重要な研修の黎明期から携われていることに誇りを感じています。タイからたくさんの人が日本研修に行きたい!と手を挙げるような研修プログラムになるよう、サポートしていきます。
Profile
入社以来9割以上を工場人事として過ごしており、現場からのオーダーにはクイックレスポンスを心掛けています。目指すはアルミの軽さのようなフットワーク!
※こちらに掲載している情報は取材当時のものです
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