RESEARCH
サステナでつながろう!
Vol.2 三菱地所ホテルズ&リゾーツ × UACJ
サステナ活動“地域資源の循環”を探る!
Vol.2 三菱地所ホテルズ&リゾーツ × UACJ
サステナ活動“地域資源の循環”を探る!

Featuring
清水 康年さん(ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 名古屋 総支配人)

Interviewer
UACJ 鈴木 太一
UACJが異業種の知恵を掛け合わせ、サステナブルな未来を探るシリーズ「サステナでつながろう!」。第二弾となる今回は、全国各地にさまざまなホテルブランドを展開する三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社を訪問。2024年に開業した「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 名古屋」の総支配人・清水氏をお迎えし、UACJの鈴木が「ホスピタリティ×サステナビリティ」の掛け算から、新たなサステナ活動のヒントを探ります。


まずはホテル内を見学!
ということで、趣向を凝らした客室やティーラウンジなどを見せてもらったUACJの鈴木。名古屋の壮大な街の風景を堪能しつつ、さっそく総支配人にお話を伺いました。
ということで、趣向を凝らした客室やティーラウンジなどを見せてもらったUACJの鈴木。名古屋の壮大な街の風景を堪能しつつ、さっそく総支配人にお話を伺いました。

ホテルについて教えて!

清水 康年氏(以下、清水)
ザ ロイヤルパークホテル アイコニック名古屋は「旅する、チュウブ。」をコンセプトにしています。愛知を含めた中部地方の歴史や文化の要素を、ホテルの至る所に散りばめています。

鈴木
新しくなった中日ビルの中に、こんなすてきなホテルがあるとは知りませんでした。

清水
地元の方にとって、中日ビルは本当に特別なシンボルですよね。

鈴木
具体的には、どんなところに中部の要素が隠れているのでしょうか?

清水
例えば、エントランスのアートには名古屋で発展した「左官壁」を、フロントのレセプションデスクの一枚板のカウンターには「岐阜県産欅」、そしてホテルの随所に「木曽檜」を使用しています。他にも、客室には「有松絞」や「常滑焼」といった伝統を取り入れたインテリアや、「御⼭杉」のウッドスピーカーも設置しているんですよ。





鈴木
客室にあった、不思議な形の家具もすごく気になりました。

清水
お気付きですか?あれは一部の客室用に特注した「茶筒」を模したマルチカウンターなんです。中部ならではのおもてなしとして、茶の湯文化もホテルの大事な要素として取り入れています。

茶筒をイメージしたマルチカウンター。中には洗面台や冷蔵庫、アメニティが収納されている。中部の伝統であるからくり人形の技術から着想を得て創られているそう。

鈴木
エントランスから客室まで、まるで一つの美しいストーリーに包まれるような感覚になりますね。

清水
歴史の面でもストーリーが満載です。日本史に名を残す、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の「三英傑(さんえいけつ)」も尾張国・三河国の出身ですから、彼らの精神と文化を受け継いだ力強いエネルギーを、ご滞在の中で感じていただけたらうれしいですね。


ホテルが取り組む
サステナビリティとは?
サステナビリティとは?

清水
わかりやすいところですと、やはり脱プラスチックです。ホテルグループ全体で数年前から、客室アメニティのバイオマス化に取り組んでいます。

鈴木
歯ブラシにヘアブラシ、カミソリだけでなく、ハンドソープのボトルなども脱プラを進められているんですね。

お客さま視点で“使い心地”を検証するため、導入時には系列ホテルの総支配人が集まって実際に試用するなど、徹底的に厳しい目で吟味しているのだそう。



清水
最近の導入例ですと、新しく開業した那覇や舞浜の系列ホテルで、客室のペットボトル削減のためにウォーターサーバーを導入しました。

鈴木
なるほど。ちなみに、そのように脱プラを進める中でアルミは候補に上がりましたか?

清水
もちろん、アルミボトル缶も検討させていただきました。ただ、私どものホテルのコンセプトと照らし合わせたとき、デザイン性やお客さまへの見せ方の面から、時期尚早かもしれないと、その時は見送ったという経緯があります。

鈴木
素材の良さだけでなく、ホテルの世界観やブランドを守る視点は大変勉強になります。

清水
でも、私個人としては、毎晩ビールなどのアルミ缶には大変お世話になっているんですけどね(笑)。

鈴木
冷えたビールは、やっぱりアルミ缶に限りますよね!(笑)
農家・ホテル・お客さまを
つなぐ、Win-Winな
サステナブルとは?
つなぐ、Win-Winな
サステナブルとは?

清水
レストランでのフードロス削減にも注力しています。単に廃棄を減らすだけでなく、私たちが大切にしているのは地域とのつながりによる循環です。

鈴木
地域とのつながり、ですか?

清水
はい。地元の農家さんから仕入れた、味は良くても形が不揃いな「規格外」の野菜や果物を有効活用し、過去にスープとして提供したほか、現在は朝食にスムージーとしてお客さまへ提供しております。


鈴木
まさに地産地消ですね!すばらしい取り組みです。

清水
運送コストを抑えられ、農家さんは廃棄を免れ、ホテルは新鮮な食材をお客さまに提供できる。関わる皆さんがWin-Winになる関係です。

鈴木
実際に召し上がったお客さまの反応はいかがでしたか?

清水
非常に好評です。「おいしい」というポジティブな感想はもちろん、ストーリーを知ることで「環境に貢献できてよかった」という声を寄せてくださる方もいました。これも一つの循環ですよね。

鈴木
おっしゃる通りですね!私たちUACJでも、日本をはじめとした各地域で使用されたアルミをいかに再利用するか、という資源循環に、今まさに全社を挙げて注力しています。

清水
仕組み自体も大切ですが、「どこで循環させるか」という視点も重要ですよね。私たちはこの名古屋の街にあるからこそ、地域の資源を巡らせ、発信していきたいと考えています。

鈴木
地域資源を巡らせる…大変興味深いです。



“地域資源の循環”
新しいサステナ活動とは?
新しいサステナ活動とは?

清水
私たち三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社は企業のバリューとして「街と、もてなす。」を掲げています。その土地の人々の暮らしや営みの中で生まれた工芸、美術、食などの文化を、訪れる方々へ伝える、おもてなしするという考え方です。

鈴木
「街と、もてなす。」とてもすてきな言葉ですね。

清水
地域の魅力を伝えていくこと、それ自体もある意味ではサステナビリティに関わる大切な活動だと思うのです。私たちホテルが地域の豊かな資源を生かし、空間やおもてなしとしてお客さまへ届ける。そして、お客さまにその魅力を知ってもらうことで、また地域へ還元していく。そんな循環を目指しています。

鈴木
なるほど、歴史・文化も含めたサステナブルな地域資源の循環ですね。

清水
中部の作家、名⼯、職⼈の方々とも繋がっているので、地域全体が豊かになる「地域との共生」を目指しています。

鈴木
街と、そして人とつながるホテル、本当にすてきですね。


清水
逆に、素材メーカーであるUACJさんでは、地域とどのような取り組みをされているんですか?

鈴木
私たちの名古屋製造所は市街地と距離が近いため、地域に開かれた「稲荷祭」というお祭りを毎年4月に開催しています。近隣の方をご招待し、工場ツアーなどを通じて深く交流させていただいています。

清水
工場は普段なかなか一般の方が立ち入れない場所だからこそ、積極的につながりを作って「顔が見える関係」になることで、地域の方々も安心できますよね。

鈴木
はい。地域との共存・共生は、私たちにとってもこれからもずっと大切にしていきたい、最重要のテーマです。
宿泊体験×アルミ、
コラボの可能性は?
コラボの可能性は?

清水
アルミとホテルのコラボレーションというと、客室の備品をアルミ製のものに変えたり、オリジナルのノベルティを作ったりするイメージがパッと浮かびますね。

鈴木
ありがとうございます!実はアルミニウムは非常にリサイクル性に優れていて、適切に回収すれば、何度でも100%同じ製品に生まれ変わらせることができる素材なんです。

清水
100%の循環が目指せる素材というのは、ホテルの思想とも非常に相性が良いですね。

鈴木
例えば、ホテルで出たアルミ缶を回収してUACJで再びアルミ地金に戻し、また新たな製品としてホテルへお届する。そんな循環の仕組み化も、理論上は十分に可能です。

清水
他にも、アルミを生かせるおもしろいアイデアはありますか?

鈴木
アルミ独特の「熱伝導率の高さ」を生かしたマイストローやマグ、スプーンなどは、手の体温が伝わって使い心地も抜群ですし、とても取り入れやすいと思います。

清水
マイストローは以前に一度製作したことがあって、お客さまにも大好評でした。アメニティとしての可能性は十分にありますね。


これからの未来に、
私たちができることは?
私たちができることは?

清水
私たちの願いは、この地域で「長く愛されるホテル」になることです。今後は地元のクリエイターの方々だけでなく、地元の企業とのつながりも、さらに積極的に深めていきたいですね。

鈴木
地域のつながりをさらに増やしていく。まさに未来を見据えた「攻めのサステナビリティ」ですね!

清水
過去には抹茶フレーバーの香水を開発された企業とコラボレーションをさせていただいたこともあります。今後もそうした、地域を巻き込んだ新しい共創の輪を広げていきたいと考えています。

鈴木
業界は異なりますが、地元企業とのサステナブルな共創パートナーの1社として、私たちUACJもぜひ仲間に入れていただけたらうれしいです。

清水
ぜひ!地域と未来をつなぐおもしろい循環を、一緒にカタチにしていきましょう。

鈴木
新たな挑戦へのヒントが詰まった、本当に学びの多い時間でした。本日はありがとうございました!



AFTER INTERVIEW

UACJ 鈴木 太一
一流ホテルとアルミメーカー…どのような対談になるのか、正直なところ不安は尽きませんでした。が、幸いにも杞憂に終わりました。地域に根差した空間づくりとサービスを、宿泊者側と提供側の両方の目線で見ることができ、時間があっと言う間に過ぎていきました。いつか家族で泊まり、「地域との共生」を体験してみたいと思います。
Profile
部署異動のたびに対象製品のアルミ比率が増え、現在は「オールアルミ」熱交材料開発室に所属。いつまでも若手のつもりでいたが、気が付けば今年の新人と干支が同じに…!
LINK
三菱地所ホテルズ&リゾーツ SDGsの取り組み
https://www.royalparkhotels.co.jp/hotels/sdgs/
https://www.royalparkhotels.co.jp/hotels/sdgs/
※こちらに掲載している情報は取材当時のものです





